岐阜県でも先週14日より高齢者優先接種の予約受付が開始されました。
ある中学生から「何で高齢者優先接種なの?中学生や高校生に先打って修学旅行とか行きたいのに!」と言われました。
本当に不思議です。
医療従事者への接種優先。これは誰も異論はないはずです。最前線で常にリスクと隣り合わせで働いてくださっている人達ですから。
医療現場の人たちがコロナに感染したら、人材不足
= 医療現場の崩壊 = 我々の命にも関わる からです。
ワクチンの供給に時間が掛かり順序付けをしなければいけない現状で、次に優先されるのは誰でしょう?
昨日13日にこんなニュースがありました。
「茨城県城里町の町長が高齢者に先駆けて接種をしていた」というものです。
ニュース番組でもワイドショーでも、公平性に欠ける、モラルがない、といった論調が多かったようですが、非常に違和感を感じました。
町長の会見を見ると、「ワクチン接種会場で12名分ほどキャンセルが出た。貴重なワクチンを廃棄はできないので接種した。また、大規模接種会場(臨時の医療施設)の責任者は町長であり、医療従事者でもある。」らしいです。
さらに言えばこの町長に限らず、現在各市町村のコロナ対策本部長はそれぞれの市町村の首長となっています。
つまり最高責任者であり現場の最前線に携わる人です。
このニュースを見て批判的なコメントばかり放送されていましたが、私はむしろ「首長はまだ接種していなかったの?」くらい不思議に思えました。
町の方たちの反応としてインタビューされているご老人の
「町長だけ先うったの?う〜ん、どうなんでしょうね〜?!」
というコメントがありましたが、正直腹立たしいくらいでした。
・あなたは町長よりも先に接種しなければいけないほど影響力があって重要な立場にあるんですか?
・あなた自身も若い世代より優先して接種されるんですよね?
高齢者だけ先うったの?という若い世代にはどう答えるんでしょうか。
・あまったワクチンは町長が接種しないで廃棄でもしたほうが良かったんですかね?
話を戻します。
医療従事者に次いで優先されるべきは誰でしょうか?
それは「万一感染した際に影響力の大きい職業・立場の人」だと思います。
例えば
・多くの子どもたちと接する機会のある、幼稚園や小学校、中学校、高校の教諭
・不特定多数の客と近い距離で接しなければいけない路線バスやタクシーの運転手
・客との接触をさけられない職業、例えば理髪業や整体 などではないかと思います。
より多くの接触機会のある人たちから接種する方が感染抑制には圧倒的に効果があります。これは感染症専門家も指摘しています。
高齢者優先と年代で区別するのは「もう」無理があります。
「もう」と書いたのは、変異型が多数を占めるようになり若い世代でも重症化しやすいと研究結果が出ているからです。
コロナが出始めた頃は、高齢者ほど重症化しやすいなどと言われていましたが、それはすでに過去の話になっています。
今年のGW前、緊急事態宣言の際に飲み屋街で出歩く人たち(主に若い世代)へ呼びかけていた言葉です。
「変異型ウィルスが拡大しています。若い世代も重症化しやすいウィルスです。外出は自粛してください。」
変異型ウィルスの蔓延 → わかりました
若い世代も重症化しやすい → わかりました
外出の自粛をしてください → わかりました
ワクチンは高齢者からです → ???
学校や職場で多くの人と接する機会が「避けられない」世代を後回し。
自主的に買い物や散歩に行かなければ人と会うことはいくらでも避けられる高齢者世代を優先。
大変、歪(いびつ)だと感じます。
そしてそれを称賛するかのような報道ばかり。
考えたくはありませんが、選挙へ行く大半は高齢者世代、投票をしてくれる大事な大事な世代、投票に行かない若者世代よりも大事なんでしょう。
早く高校生や大学生にも接種が進み、学校生活や修学旅行、キャンパスライフを楽しめるようになって欲しいものです。
2021.5.17 |